記憶はあてにならない

これは 中村 中 Advent Calendar 2015 8日目の記事です。

 

わたしが中さんの音楽に出会った頃のことを書こう、そう思って時系列を整理していたら自分の記憶の不確かさに愕然としている。

『裸電球』で知って『私を抱いてください』を買って、たまたまそれからすぐに地元でライブがあったので行って圧倒されて虜になった……というように記憶していたのだけど、初めてCDを買ってから初ライブまでには一年弱の間があった。確認しなかったらテキトーなことを書くところだった。

 

『裸電球』の発売日が2007年11月21日。当時は昔の歌謡曲ばかり聞いて同時代の音楽を追いかけていなかった(だから『友達の詩』発表時のことも知らない)。たまたまラジオで聞いて、えっ何すっごくいいと興味を持ったのがこの頃。これは間違いない。Amazonの注文履歴を見たら2007年12月17日に『私を抱いてください』(2007年12月5日発売)を『天までとどけ』といっしょに注文していた。そしてこの年の紅白歌合戦に出場したのを見たんだ。

 

問題はわたしが初めて参加した岐阜県各務原市民会館でのライブがいつかということ。2008年10月26日。それをなぜか今の今まで年明け早々のことだと記憶していた。

mixiのチケット譲りますコミュニティでチケット入手したこと、生の迫力に握ったこぶしに汗をかいて固まってたこと、はじめての未練通りでの振付に若干の照れがあったこと、残業コールに戸惑い、グッズ販促ソングや桃井かおりSK-IIのCMのモノマネにこんなひとだったんだと驚きを覚えたこと、そういうのは覚えているのに。帰りにCoCo壱番屋で牡蠣フライカレーを食べたことすら記憶に刻まれているのに。

 

なんでライブまでの記憶がすっぽり飛んでいるんだろう。……大体検討はつく。いろいろあって病んでたんだ。人は思い出したくない記憶をなかったことにしてしまうものだ。
そして、そんなどん底だったからこそ中さんの歌に支えられていたんだ。それは覚えている。ちょっと宗教じみた言い方になるけど、まさに救済としての音楽だった。もはやあんな憑かれたように歌にのめりこむことはできないだろうと思う。

 

でもまたあんな風に心打ち震えるように切実に音楽を聴きたいという気持ちもある。そのためには、まずは失恋しなければね(本末転倒)。

 

そんなわけで、記憶はあてにならないしやっぱり記録は大事だな、という話。

だから3日目に書いたデータベース作り、がんばろう。